いわき信組で現金着服事案2件発覚…金融当局がニラむ「175億円公的資金」返済計画
利益剰余金は43億円強
とはいえ不正融資は公的資金注入とほぼ平仄を合わせるようにぴたりと止まり、以後、封印され闇に葬られてきた。「大金が転がり込んでくるアテができたので、ひとまずヤバい案件から手を引いた」(地銀幹部)と受け止められなくもない。
公的資金の返済にメドが立っているのならまだ救われよう。しかしその可能性は「限りなくゼロに近い」(信組業界筋)。償還原資となる、いわき信組の利益剰余金は、今年3月末時点で43億円強にとどまっているからだ。
当初「22年まで」とされていた返済期限は、コロナ禍に配慮して「26年まで」に延長された。ただ、いわき信組の最終利益は24年3月期で2.14億円に過ぎない。残り2年ほどの間に剰余金を175億円にまで積み上げ、かつ返済後も財務の健全性を維持することなど無理スジとも言える芸当だろう。光明は見えていない。