“コンビニキラー”まいばすけっと「勝利の方程式」 店舗数の割に目立たなくても他社を圧倒
一部の店舗では酒、たばこ、ATMも取りそろえる。飲料や菓子パンはコンビニより20~50円程度安いため、競争力は高い。同じイオン系列のマルエツも「マルエツ プチ」を09年に開業し、40~50坪の同店舗は都市部の住宅街に出店している。
まいばすけっとの成功を見てか、コンビニ業界も小型スーパー事業を模索してきている。ローソンは14年に生鮮品を取り扱う「ローソンマート」を出店。東名阪に出店し500店舗を目標としていたが、わずか1年で同事業の撤退を決めた。セブン-イレブンも24年にスーパーとコンビニの両機能を合わせた88坪の「SIPストア」を松戸で開業したが、多店舗展開に至っていない。
「コンビニが出店する店舗は通常の食品スーパーより価格が高く、中途半端な存在。生鮮の安さでは、モールや旧ダイエー店を展開するイオンの購買力に勝てない。まいばすけっとはトップバリュ商品が売りだが、コンビニ業界には安い加工食品のPBが少ない」(同)
通常の食品スーパーを展開しない他社が参入するのは難しいというわけだ。小型スーパーでは一強のまいばすけっとだが、コンビニの居抜き物件に出店することも。巷では“コンビニキラー”と呼ばれ、首都圏では同業界にもイオンの脅威が迫っている。
(ライター・山口伸)