著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

東條陸相は「感情を害するから会いたくない」と近衛首相を拒絶した

公開日: 更新日:
日中戦争。日本軍の爆撃を受けた中国の臨時首都、重慶=1939年5月(C)共同通信社

 近衛首相と東條陸相の対立が最終的に決定的になったのは、昭和16(1941)年10月14日の夜であった。前回紹介したイギリスの「第二次世界大戦人名事典」の表現を借りるならば、まさに和平追求派が視野の狭い軍国主義者に屈服したという構図である。どこの国にもある構図ともいえるのだが、日…

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