帰り道がわからない…認知症やその疑いがある行方不明者は2万人弱
「昨日の夜、おひとりで外を徘徊して、多分自分の家がわからなくなったからだと思うんですが、ご近所のおうちのインターホンを押したり、玄関ドアを叩いていたりしたようです」
ある日のこと、認知症を患う患者さんの徘徊に関する報告をケアマネジャーさんからいただきました。
自宅のアパート前に座り込んでいたところを、通報を受けて駆けつけた警察に保護。後見人の税理士の先生に相談して急きょ、翌日からショートステイに行くことになったといいます。
在宅医療を行っている患者さんの中には、認知症を患う高齢の方が少なくありません。
この病気は認知機能の障害によりさまざまな症状を生じさせます。
例えばご自身がいる場所や日付、親しいはずの人の名前などがわからなくなる「見当識障害」。自分の持ち物や場所を捜しているうちに途中から自分が何を捜していたかがわからなくなる「記憶障害」。そして昔の生活をしているつもりで勘違いして出歩いてしまういわゆる「誤認」など。