獅司はレスリングスタイルから脱却したウクライナ人関取第1号 両親には欠かさず仕送りの一面も
獅司 大(27歳/雷部屋・前頭16枚目)
27歳と決して若くはない。しかし、相撲をまともに始めたのが21歳なのだから、まだまだ伸びしろはあるのではないか。
ウクライナでは当初レスリングに熱中し、相撲と出合ったのは15歳。その後は国際大会などで実績を重ねた。
「ただ、当時の獅司は相撲技術なんて皆無。上背と腕力だけで勝っていたようなもの。本格的に相撲の稽古を始めたのは来日した2018年からです」(アマ相撲関係者)
前相撲でデビューし、幕下までは順調だったものの、幕下上位の壁にはね返され続けた。
「当時の獅司は低い姿勢で両腕を前に突き出し、頭をつける……まさにレスリングのフリースタイルさながらでしたからね。タイミングを見て上からはたいたり、肩越しにまわしを掴むなどしていたが、体格を生かしていたとは言い難い。ただ、最近は突っ張りも覚え、徐々に内容もよくなってきた。まだ粗削りだが、技を磨き、スピードもつけば化ける可能性はあります」(若手親方)
来日7年目だが、日本語の習得には苦戦中。兄弟子が「通訳」を務め、難しい質問になると獅司が、「トランスレーター(通訳)!」と助けを求めるが……。