下村博文氏「政倫審」出席意向に自民が戦々恐々…恨み骨髄の森喜朗氏に“ハチの一刺し”の期待
「党と相談して説明責任を果たしていきたい」──。下村博文元文科相が4日、自身のブログで衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席する意向を表明。党幹部にも伝えたことに、自民党内がザワついている。下村氏は安倍派の要職を歴任。派閥の“ドン”だった森喜朗元首相との不仲は、永田町でつとに有名だ。
「安倍派の裏金づくりの悪弊は、十数年前から20年以上前に始まったとされる。当時の派閥会長だった森さんの関与が疑われる中、下村さんが何を話すのか。戦々恐々です」(自民党関係者)
安倍政権下の文科相時代、下村氏は道徳を「特別の教科」に格上げ、新国立競技場ザハ案をボツに。文教族のボスの森元首相に独断専行と映ったのが、不和の要因らしい。安倍元首相の死後、下村氏が派閥会長を狙うと、森元首相は全力で阻止。地元・石川の「北國新聞」で、事務所を訪れた下村氏が「今までのご無礼をお許しください」と土下座したと“暴露”したこともあった(下村事務所は日刊ゲンダイに否定)。
安倍派は昨年8月、森元首相の評定でお気に入り「5人衆」中心の集団指導体制に移行した一方、下村氏を中枢からパージ。森元首相に爪はじきにされた下村氏の恨みは想像に難くない。下村氏は「けしかけられると慎重になるタイプ」(知人)のようだが、「政倫審で野党に裏金づくりのルーツを聞かれたら『森さんが詳しいはず』『森さんに聞いてください』などと言い出しかねない」(ある自民党議員)と危惧するのも納得である。