赤井英和と伝説の一戦 “和製ハグラー”大和田正春さんは今
「試合が終わった後、赤井ファンに殺されるんじゃないかと思うくらい、体育館全体が異様に殺気立ってたのを覚えてる。関係者やガードマンに守られ、急いでホテルに戻った。テレビのスポーツニュースじゃ試合の様子を何度も放送するし、正直、(赤井が)マジでヤバいかな、って不安は募る一方だった」
その試合は赤井が俳優として認められた映画「どついたるねん」(阪本順治監督)で再現され、大和田さんと競演が実現。大きな話題になった。
「ホント、生きててくれてよかった。万が一のことになってたら、赤井はもちろん、自分の人生もどうなってたかわからない。1歳年上の奥さんとは、赤井戦のすぐ後に結婚するのが決まってたんだ」
その後、大和田さんはミドル級の日本王者になり、5回の防衛を果たすも88年3月、網膜剥離で引退した。
「今は市内の多寿満ボクシングで週末、トレーナーとして若い選手の面倒を見てる。世界に羽ばたくボクサーを育てたいね」
狭山市内のマンションに夫人と2人暮らしだ。