アルゼンチン代表メッシ マラドーナのように…がVへの近道
世界中のサッカーファンは知っている。アルゼンチン代表FWのメッシが当代随一のプレーヤーでありながら、2005年に代表に招集されてから世界王者どころか、南米王者のタイトルも手にしていないことを――。
30歳で自身4回目のW杯の開幕を迎えるが、プレー自体に衰えは見られない。技術レベルの高さは言うまでもない。繊細なタッチのトラップでボールを受けると緩急を織り交ぜたドリブルを仕掛けていく。その鋭い突破力は、世界最高峰と言っても差し支えない。
独り善がりで「フィニッシュまで持ち込まないと気が済まない」タイプではない。素早いパス交換から相手DF網のギャップに侵入し、独特のタイミングでシュートを放つ。GKは反応もできずに呆然とボールを見送るシーンこそが、メッシの凄さを物語っている。
しかし、所属するバルセロナでのメッシと母国の代表ユニホームを身にまとったメッシは「まるで別人」である。代表にはバルセロナほど「プレーの波長が合う選手がいない」と言ってしまえばそれまでだが、メッシ自身が「何とかしないといけない!」と思いつめるほどに連係の悪化につながっている。1986年W杯メキシコ大会は、天才・マラドーナがアルゼンチンに優勝をもたらした。メッシが独善的にプレーして“マラドーナとして振る舞う”ことが、もしかしたら優勝の早道かもしれない。