権藤博×二宮清純 平成“トルネード旋風”野茂英雄を語る<4>

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 平成の日米球界を席巻した野茂英雄(50)と親交の深い野球評論家の権藤博氏とスポーツジャーナリストの二宮清純氏との対談の最終回。両氏は人間・野茂の魅力を「飾らない、変わらないところ」と口を揃える。

 ◇  ◇  ◇

――近鉄入団時の指揮官は仰木彬監督でした。仰木監督との出会いも大きかった。

権藤氏(以下、権藤) 仰木さんがすごいのは、これはいいと思ったら何にも言わないこと。

二宮氏(以下、二宮) 仰木さんは野茂とイチローを育てたといわれる。でも、仰木さんでもあのトルネード投法や振り子打法は教えられるものではない。仰木さんのすごいところは、個性を認めたところ。才能の形を認めた。これが他の監督にはなかったことだと思う。

権藤 惚れた選手には弱い(笑い)。仰木監督でなければ独特の投球フォームを変えられた? かも分からん。そういうバカな指導者がいたかもしれないね。

二宮 近鉄時代に野茂らが憤慨していた。聞くと、某コーチに「野球の組織は会社と一緒だ。監督が社長なら、コーチは部長。選手は平社員だ」と言われたという。

権藤 社長の代わり、部長の代わりはなんぼでもいるんです。でも、平社員、つまり、選手の代わりはいない。成績が悪ければ、社長のクビも部長のクビも飛ぶ。でも、平社員は働き続けなくてはいけない。私が「野球をやるのは選手」というのはそこなんです。

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