初海外&初メジャーでVの快挙 渋野日向子“スイングの秘密”
渋野は昨年プロテストに合格し、今季が事実上のルーキーイヤー。5月のワールドレディスでツアー初優勝、7月の資生堂女子で2勝目を挙げ、3勝目はまさかのメジャータイトルとなった。
■身体的特徴を生かした独特のスタイル
165センチ、62キロの渋野はフラットに構えるスイングに特徴がある。ミドルアイアンになると手の位置がひざのすぐ上に来るくらい低く構えて、前傾姿勢も深い。
渋野の両腕は欧米人のように長く、すごいハンドダウンに構えている。
「他の日本人とは違う、渋野にしかできないプレースタイルを貫いたのがメジャー制覇につながったともいえる」と田原紘プロがこう続ける。
「アドレスは腕が外側に反っている。普通なら直されるのですが、渋野はその長い腕を生かしてヘッドを飛球線後方に上げて、下ろすだけ。腕の振りがよくなり、余分な動きが一切見られなかった。右ひざの上で体が回転して、体重がインパクト前に左に移っていない点もいい。ヘッドの動きにつられて体重移動しているだけで、全てにおいてシンプル。だから緊張する場面でもスイングが乱れることなく、飛んで方向性も安定していた。パターも手先ではなく体全体でストロークして、軸足に体重が残ってボールを打ち出しており終始転がりがよかった」