与田剛が「自分の人生変えた」と話すキューバ戦の先発登板
与田にとってこのキューバ戦が代表デビューとなったのだが、野茂や潮崎、佐々岡真司(NTT中国)といった好投手が揃う中でも気後れすることなく、堂々と投げていた。
今春、侍ジャパンの強化本部長として代表監督の稲葉篤紀とともに中日のキャンプ地・北谷を訪れた際にも、キューバ戦の話題になった。中日では野茂が“臨時コーチ”を務めていたこともあり、自然とその話になった。
「あのとき先発したことが、自分の人生を大きく変えました」
かねてこう話す与田は、開幕投手を務めた日を、野球人としての「一丁目一番地」のようなものだと認識している。日本代表でのプレーは1年間だったが、キューバ戦での好投で「やれる」と自信を得て、大きなモチベーションになってくれたのであれば、指導者冥利に尽きるというものだ。
与田は現役引退後に解説者を務め、また、侍ジャパンや楽天のコーチを経て、今に至っている。年齢を経るごとに、野球人として着実にステップを踏んでいると思う。
■強さ、優しさに母の面影