初場所賜杯争い正代に無言の重圧…吹っ切れた大栄翔に勝機
賜杯の行方は千秋楽まで持ち越しとなった。
ともに2敗で優勝を争う大関正代(29)と平幕の大栄翔(27)。22日はいずれも白星を手にしたものの、果たして「軍配」はどちらに上がるのか。
苦しい立場なのが正代だ。横綱不在とあれば、優勝することが大関の責任。新大関として臨んだ先場所はケガで途中休場したこともあり、無言の重圧を感じているだろう。
残り2日間の相手も楽ではない。23日は照ノ富士と戦い、千秋楽は朝乃山戦が確実。いずれも難敵の上に、双方ともに負けられない事情がある。
照ノ富士は今場所12勝なら大関昇進基準の「3場所で33勝」の条件を満たせたが、すでに4敗。最大でも11勝止まりだ。ただし、1つでも多く勝ち星を稼げば、それだけ次の場所が楽になる。過去、3場所32勝でも昇進を果たした例があるため、大関復帰を目指す照ノ富士にすれば、もう負けられない。
同じく4敗の朝乃山にしても、大関である以上、更なる黒星は沽券に関わる。
「気がかりなのは、正代が10日目の遠藤戦から3日で4回も物言いがつく相撲を取っていること。本来の攻めができておらず、気持ちの上で守りに入っている印象です。一方の大栄翔も、初の優勝争いの重圧は相当なものでしょう。8連勝を宝富士に止められた時は慎重になりすぎて、動きが鈍かった。それでも今は吹っ切れたのか、本来の果敢な攻めが戻っている」(ある親方)
昨年の徳勝龍同様、令和3年も平幕優勝でスタートするのか。