1年で退任 新鮮だったバレンタイン監督の満塁スクイズ指令
投手陣は同年、最優秀防御率、最多奪三振の投手2冠を獲得した伊良部秀輝を筆頭に、小宮山悟、ヒルマンが2ケタ勝利をマーク。河本育之、成本年秀のリリーフコンビの活躍もあった。打者では初芝清が打点王を獲得するなど、稲尾和久さんが監督だった85年以来10年ぶりのAクラス、2位に躍進した。
稲尾さんの時代もチームは明るい雰囲気で、ノビノビと野球をしていた。そうしたチームづくりが勝てるチームのお手本になるのだと思ったものだ。
野球も新鮮だった。
シーズン序盤の日本ハム戦。同点で迎えた九回裏1死満塁の場面で打席に立ったときだった。
■カウント3-1で…
3ボール1ストライクとなったところで、三塁コーチャーのサインを確認。打てのサインが出るかと思ったら、スクイズの指示だったので思わず自分の目を疑った。
プロ入り後、こうした場面でスクイズをしたことはなかった。満塁だと全ての塁がフォースプレーになり、アウトになる確率が高くなる。野手の正面に転がしてしまえば、ホームゲッツーもある。