阪神・矢野監督に告ぐ 佐藤輝明の才能を中途半端な起用で潰すことは許されない
しかし、当時の小川淳司監督(現GM)はビクともしなかった。いくらバットが空を切ろうが、状態が悪かろうが、村上を外さなかった。
結局、全143試合に出場させて、142試合でスタメン起用。三振など気にするな、結果を恐れずバットを振りなさい、とメッセージを送り続け、村上もそれに応えた。この年にマークした、高卒2年目最多タイとなる36本塁打はそのたまものだろう。
■藤浪晋太郎にしてもそう
そこで、頭に浮かぶのが阪神のルーキー、佐藤輝明(22)である。開幕前から話題を独占、持ち前のフルスイングで本塁打を量産した。しかし、後半戦に入って調子を落とすと、低打率と三振数を問題視する声が増え始めた(今季105試合に出場して打率.254、23本塁打、60打点で151三振)。
さて、矢野燿大監督はどうするか。
ここが胆力の見せどころと期待して見ていたが、8月・9月で63打数12安打の打率.190、3本塁打、30三振という数字の前に、首脳陣の方が音を上げた。9月10日に登録抹消。その前からスタメン落ち、代打出場などの中途半端な起用を繰り返したことが、不振を悪化させたと私は見ている。佐藤輝からすれば、フルスイングを否定され、自分の打撃スタイルに疑念を持たざるを得ないメッセージになってしまったのではないか。藤浪晋太郎に関しても同じである。