ヤクルト高津監督の胆力は現役時代と変わらず 前年最下位から優勝目前
そうやって、しぶとく生き抜いてきた現役時代の経験が今、監督としての迫力を生む。
前年最下位からの優勝争い。リーグワーストだったチーム防御率4.61の投手陣を就任2年目で見事に再建してみせた。
出色なのは七回、八回、九回のリリーフ陣を構築したこと。中でも、マクガフの抑え抜擢に高津監督の胆力が表れる。
決して盤石なストッパーではない。57試合で26セーブを挙げているが、防御率は2.93。55回3分の1で23四死球を記録しているように、制球に不安を抱え、毎試合のようにピンチを招く。
5日からの巨人3連戦でも初戦に1死から連続四球で塁上を賑わせた。
■「このスタイルは変えない」
ヤクルト優勝の死角は抑えのマクガフ――そんな外野の声を封じるように、試合後の高津監督は平然と「よく粘った。いい投球でした」と褒め、勝利の方程式を「このスタイルは変えない、変えられない」と言った。