なでしこ欧州遠征2連勝 WEリーグ得点ランク1、2位の2トップからゴールの予感は漂ってこなかった
植木のアクロバティックなゴール
大量点勝ちを素直に喜びたいところだが、菅沢も田中も「国内ではゴールを決めるのに国際大会では沈黙してしまう」傾向が続いており、なでしこの長年の懸案事項である決定力不足改善の難しさが実感させられた。
植木のチーム4点目はお見事だった。4試合連続ゴール中の植木は、ゴール前左で浮き球に好反応し、胸トラップからアクロバティックな右足ボレーシュートをゴール右にズドンと叩き込んだ。
いかにもストライカーと呼ぶに相応しいプレーだった。このままスケールアップしていき、1トップを張ってゴールを量産してもらいたい。
エースのMF岩渕真奈(アーセナル)をケガで欠いた分、この欧州遠征2試合で長谷川の存在感がより際立った。
■長谷川の能力の高さは本物
ボールを持った瞬間に<局面ごとにベストの攻撃パターンを選択する能力>の高さは本物である。着実にレベルアップしているが、まだまだ伸びしろを感じさせる選手だ。世界のトップ選手の仲間入りする可能性を十二分に秘めている。
最後にマッチメークについてひと言ーー。
せっかく欧州まで出向いたのだから、世界ランク上位とは言わないまでも、せめてランクひとケタ台の7位スペイン、8位イングランド辺りと対戦して<なでしこの現在地>を確認したかった。
2023年7月にオーストラリアとニュージーランドで女子W杯が共催される。なでしこがW杯で上位に返り咲くために何が必要か? 1年前の今、知っておきたかった。
(構成・本紙編集部)