東アジアEー1選手権「W杯経験者」は招集せず…本番目前まだ「テスト」森保監督の中途半端
サッカー日本代表の森保一監督(53)が6月21日にオンライン取材に対応し、国内組の選手で臨む東アジアE-1選手権(7月19~27日)について「基本的にはW杯経験者の招集は見送る」とベテラン勢を招集しないことを明らかにした。
この「W杯経験者」に該当するのは神戸FW大迫勇也(32)、FC東京DF長友佑都(35)、浦和DF酒井宏樹(32)の3選手ともっぱら。
森保監督は「Jリーグのレギュラー組で(11月21日開幕のカタール)W杯メンバーに入っていく可能性のある選手」を招集し、加えて「U-23(23歳以下)アジア杯(18日閉幕)を戦った(パリ五輪世代の)U-21代表の選手にもA代表に来てもらう」とコメント。さらに「今回はW杯が目前なので最終的な(W杯)メンバーをどうするか、考えたメンバー構成にしたい」とも話した。
E-1には呼ばない方が無難…という決断
「メンバー選びに際してネームバリュー、実績重視の傾向の強い森保監督にとって大迫、長友、酒井の3選手は<カタールW杯当確組>であり、Eー1選手権で好パフォーマンスを発揮できず、それでもW杯メンバーに呼んだ場合、何かと批判の対象となる。そうした事態を想定した上で、E-1選手権に呼ばない方が無難、という判断にいたったのでしょう」(サッカー関係者)
ともあれ大迫、長友、酒井を招集しないことについて、元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏が「いつまで指揮官は中途半端なチーム作りを続けるつもりなのでしょうか?」と疑問を呈する。
「2020年1月にタイで行われたアジアU-23選手権でグループリーグ敗退を喫し、同年夏の東京五輪ではメダルを逃してしまった。その要因として、森保監督のチームの骨子作りの遅れが挙げられる。大会直前まで新戦力発掘のために代表候補選手の枠を広げるばかり。中途半端なチーム作りで本番を迎えることになり、目標に及ばない結果しか残せなかった。カタールW杯本大会も近付き、主軸選手を決めなければならない時期に<W杯経験選手以外にチャンスを与えたい>という森保監督のコメントには首を傾げざるを得ない。大迫と長友と酒井の3選手はカタールW杯本大会を見据え、E-1選手権の試合を通して心身のコンディションを上げていってもらうことを優先すべきと思います」
W杯8強以上を狙うには何をなすべきか
E-1選手権の出場メンバーには、U-21代表から清水MF鈴木唯人、浦和GK鈴木彩艶、横浜MのMF藤田譲瑠チマ、柏FW細谷真大、札幌FW中島大嘉が選出されると言われているが、この若手組を含めてE-1選手権のメンバーから、W杯メンバーに抜擢される可能性は皆無に等しい。
Jリーグの代表招集未経験者、2024年パリ五輪を見据えて若手を登用しながら日本代表全体を底上げしていくことは、代表監督に課せられた重要なミッションのひとつだが、この時期は「カタールW杯で悲願のベスト8以上の成績を残すために何をなすべきか」に専心すべきではないか。前出の六川氏がこう言う。
「3月にW杯最終予選が終了し、W杯本大会出場権を得た森保ジャパンは6月、代表4連戦という貴重な代表チーム強化の機会があったが、試合ごとにスタメンなど選手を大きく入れ替え、やはりチームの骨子作りを遅らせることになった。いつまでテスト、テスト、テスト……を繰り返すつもりなのでしょうか? サンプドリアとの契約延長が微妙なDF吉田(麻也=33)も、国内組の一人になる可能性もあるわけだが、そうなった場合も吉田は未招集ということになるでしょう。しかし吉田も、E-1選手権を通してパフォーマンスを上げていって欲しい」
このままではW杯本大会の戦い方も、中途半端に終わってしまう……そう危惧する声はサッカー界に多い。