元川悦子
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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

シントトロイデン岡崎慎司が語る欧州挑戦へのこだわり…香川真司のJ復帰は「感慨深かった」

公開日: 更新日:

岡崎(シントトロイデンFW/36歳)

 2026年北中米W杯に向けて本格始動した第2次森保日本。初陣となった3月シリーズはウルグアイに1-1のドロー、コロンビアに1-2の敗戦という結果で、いきなり快進撃というわけにはいかなかった。

 48カ国出場となる3年後の大舞台で悲願の8強入りを果たすのは、想像以上にハードルが高いのだ。

「僕自身も経験したことがないから、8強の壁がどういうものか言えないけど、W杯のたびに一喜一憂するべきではないとは思う。日本も欧州みたいにサッカーが日常になってほしいと僕は感じます」

 代表50ゴールを挙げた男は今、何を思うのか……。

 ☆ ☆ ☆

 岡崎が最後に代表活動に参戦したのは、2019年6月のコパアメリカ(ブラジル)。当時は板倉滉(ボルシアMG)、前田大然(セルティック)、久保建英(レアル・ソシエダ)といったカタールW杯の主力がA代表デビューした頃だ。

 久保はレアル・マドリード行きが決まってはいたものの、まだまだ粗削りで岡崎や川島永嗣(ストラスブール)の後押しを受けながら世界舞台で戦い始めたところだった。

 その後の約4年間、岡崎は本気でカタールW杯を目指して闘い続けた。

 2019年夏には英プレミアリーグのレスターからスペイン2部のウエスカへ。2019-2020シーズンはリーグ12得点を挙げ、1部昇格の原動力となった。

 翌シーズンは長年の念願だったスペイン1部でプレー。だが、1年での降格を強いられ、自身も契約満了。2021年夏には再び2部のカルタヘナで再起を図った。

 けれども同クラブの1部昇格は叶わないままに退団。2022年夏にはベルギー1部のシントトロイデンに練習参加し、何とか契約を勝ち取った。

 岡崎がそこまで欧州挑戦にこだわり続けたのも「俺の中では日本に帰るのは代表を降りることと同じだ」という矜持があるから。

 今季前半のベルギーでラストチャンスをつかむべく奮闘したが、結局、3度目のW杯には手が届かなかった。

「カタールW杯は普通に応援しましたね。メンバーに入った選手は三笘(薫=ブライトン)にしても、久保にしても、それなりに海外でやれてる選手たちなんで『まあやれるだろう』というのはありました。結果、ドイツとスペインに勝ってくれて素晴らしいという気持ちと、上を目指すならまだまだ足りないという両方の感情が湧きましたね。ただ、より高いものを追い求めるなら、悔しさが強い方が絶対にいいと思う。8強入りというのはどこの国にとっても難しいし、そう簡単なもんじゃない。だからこそ、日本はもっと上を目指し続けるべきだと強く感じました」と語気を強める。

 代表を離れた今も、ギラギラした闘争心に満ち溢れているのだ。

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