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石井正忠タイ1部ブリーラム監督

1967年2月1日生まれ。千葉県出身。順天堂大から1989年にNTT関東(現J大宮)入り。住友金属を経てJ鹿島の主力創設メンバーとしてジーコたちとプレーした。引退後は鹿島トップの総合コーチなどを務めて2015年7月、トニーニョ・セレーゾ監督の後任として監督に就任。この年のナビスコ杯優勝。2016年はJ年間王者に輝いた。同年のFIFAクラブW杯決勝でレアル・マドリードと対戦。延長の末に逆転負けを喫したが、アジア勢初のファイナリストとして存在感を示した。2019年にタイ1部サムットプラーカーン・シティFC監督に就任。2021/2022年のシーズン中に強豪ブリーラム・ユナイテッドに引き抜かれてリーグ戦、FA杯、リーグ杯の国内主要タイトルを総ナメ。トレブル(3冠)監督となった。

タイ史上初の2年連続3冠達成! ブリーラム石井正忠監督「さらなる高みを目指す」

公開日: 更新日:

バンコクの日本式宿泊施設では大浴場が楽しみだったのに…

 試合中は、いつもタッチライン沿いに立って戦況を見守ります。 

 後半アディショナルタイムに入り、後方のベンチに座っているコーチやスタッフの「早く試合が終わってほしい」「早く3冠を達成したい」という思いが交錯し、妙にざわついている気配を背中に感じながらタイムアップを迎えました。

 その瞬間、もちろん得がたい喜びに包まれたのですが、それよりも「シーズン前に打ち立てた大きな目標に手が届いたことへの達成感と安堵感」が胸いっぱいに広がりました。

 バンコクは質の高いチームです。そう簡単に勝てる相手ではありません。シーズンを通してしのぎを削った宿敵のホームでFAカップの決勝を戦い、無失点で勝利したというのも非常に良かったと思います。

 私自身、スタッフ、チームに関わるすべての人、もちろんサポーターの皆さんにも大きな喜びを届けることができ、本当に嬉しく思っています。

 リーグカップ決勝のパトゥム・ユナイテッド戦もFAカップ決勝のバンコク戦も、決戦の舞台はバンコクでしたのでブリーラムがバンコク市内に所有するトレーニング施設に入りました。ここには宿泊施設なども完備され、リーグ戦でもバンコク市内や近郊をホームとするチームと対戦する際、いつも利用している施設です。

 20日にリーグカップを制した後、オーナーからプレゼントが届きました。「試合翌日と翌々日の2日間を完全オフとします」と告げられたのです。

 私はホテル検索サイトからバンコク市内・プロンポン駅近くの日本式宿泊施設「柏屋旅館」を予約。玄関は全面が格子戸作りになっており、白地に黒々と「柏屋旅館」と書かれた提灯もぶら下がっていました。

 予約した部屋には、小さいながらも畳敷きのスペースもありました。

「どうして慣れ親しんだ日本旅館に」と思われるでしょうが、一番の目的は「大浴場完備」というところ。タイでは、湯船につかって両手足を伸ばす機会が少なく、凄く楽しみにしていました。

 夜になってタイ在住の日本の経済系団体の関係者ご夫妻とコンサルティング会社の方の計4人で食事に出掛け、一緒に「もつ鍋」をつつきながら歓談。とても有意義で楽しい時間を過ごし、ふと時計を見てびっくり。「大浴場は午後11時に閉まってしまう。今から戻っても間に合わない!」。今でも……少し心残りです。

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