元プロ野球選手・山口俊さん 六本木で白ワインとシャンパンの合うちゃんこ屋を始めたワケ
山口俊さん(元プロ野球選手/36歳)
今シーズンのセ・リーグは、大方の予想に反しヤクルトが低迷し、横浜DeNAが健闘中。その横浜で11年間プレーし、FAで巨人へ、さらにポスティングで大リーグへ移籍した投手がいた。山口俊さんだ。この春、引退を表明し、早速、ちゃんこ店を始めていたことでも話題になった。山口さん、その後、どうしているのか。
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山口さんに会ったのは、そのちゃんこ屋「TANIARASHI」。山口さんの大分県中津市の実家は、亡き父親で元力士の谷嵐さんが始めたちゃんこ屋で、山口さんの店は実家からののれん分け。東京メトロ・六本木駅から徒歩10分と、交通の便の良い所にある。
「競合のちゃんこ屋が少ない港区で良い場所を探していたら、たまたま六本木でした。壁紙などは変えましたけど、和食屋だった店を居抜きで借りているんですよ」
カウンターと個室が3つで全24席。席と席の間をゆったりとり、内装はホテルのバーのようにオシャレだ。
「ちゃんこ屋というと畳敷きで和のイメージのところ、この店は白ワインやシャンパンが合うちゃんこ屋というのがコンセプト。新しい発想でないとダメだと考えました。予算は1人1万~1.5万円と高めですが、おいしい料理といい接客で安いと感じてもらえるよう努めています」
ウリのメニューは「寄せ鍋ちゃんこ」2800円、「大分とり天」1400円、「近江牛タタキ胡麻ポン酢」2800円。どれもおいしそうだ。
料理人とホールマネジャーが各1人で、ほかにアルバイトが10人。山口さんも月曜から土曜まで毎日、接客している。
「開店してまだ半年超なので、お客さまは身内や知り合いが多く、いちげんの野球ファンのお客さまが入ってき始めたところ。野球ファンのお客さまは『フランクに話せて楽しかった』と言って帰っていかれますね。野球の話を含め、どんどん話しかけていただきたいのですが、お客さまのほうが遠慮している感じです(笑)」
■生活サイクルは一変
遅寝遅起きのプロ野球選手時代から一変。今は朝7時半起床、帰宅は夜中12時ごろとハードだ。
「店を経営する両親を見て育ったので、今の生活スタイルはイメージ通り。売り上げは、ありがたいことにイメージより上です(笑)。でも、毎日不安ですよ。今日、お客さまが入っても、明日はどうなるかわかりませんから。野球は自分との闘いで、がんばって成績を残せば結果はついてきますが、飲食店は自分がベストパフォーマンスだと思ってもお客さまは不満を感じるかもしれません。だから、常に考えて接客しないと、と思っています」