大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後
ドジャース大谷翔平(29)は本塁打王争いで2位のオズナ(ブレーブス)に5本差をつけ、早くも独走態勢に入ったかに見える。
しかし、「大谷には目に見えない敵がいますから」と、米紙コラムニストのビリー・デービス氏は米国人の根底にあるアジア人への猛烈な敵愾心を指摘する。【前編】から続く。
◇ ◇ ◇
そんな差別感情は球宴のファン投票にも表れている。球宴1次投票最終結果を見ると、ナ・リーグの最多得票は一塁のハーパー(フィリーズ)の327万7920票、2位は三塁のボーム(フィリーズ)の317万5134票。DHの大谷は277万7173票で3番目だった。
フィリーズは目下、54勝29敗で勝率.651はメジャートップ。とはいえ、本塁打はもちろん、打率でも大谷の後塵を拝する2人にこれだけの得票があったのは本拠地のフィラデルフィアであることと、米国人の気質と関係があるという。
「フィラデルフィアは『city of brotherly love』(兄弟愛の都市)と呼ばれて同胞に対してはめっぽう手厚いけれど、よそ者にはかなりシビアな都市です。フィリーズの本拠地のシチズンズバンクパークのアストロズ戦に行ったことがあるのですが、球場の便器にはアルトゥーベらアストロズの主力選手のベースボールカードが置かれていた。ファンがカードに向かって小便をする光景には、そこまでやるかと仰天しました。フィラデルフィアはかつて米国の首都で、典型的な米国人気質の都市。本塁打を量産する大谷に対して、冗談じゃない、ハーパーこそパワーヒッターだというファンの意識が投票を後押ししたのでしょう」(ビリー・デービス氏)