大谷はシーズン後半戦、三冠王へまっしぐら ドジャース投壊がむしろ追い風になる理由
エンゼルスは当時、まだ、プレーオフの可能性が残っていた。厳密に言えば、プレーオフが消滅するかどうかの瀬戸際。自身もプレーできる状態と判断した大谷に、休む選択肢はなかったという。重要な局面になればなるほどモチベーションは上がり、とんでもないことをやってのけるのが大谷なのだ。
今季にしてもそう。本塁打数が上昇曲線を描いたのは、チームリーダーでリードオフマンのベッツ(31)が左手骨折で離脱、代わって1番を務めるようになった6月18日のロッキーズ戦以降。ここまで計24試合で10本塁打。7月に入ってからは4試合連続を含む7盗塁と、打って走ってフル回転している。
大谷はこの日、「ケガをしている人たちももちろん帰ってくる」とも言ったが、ドジャースはただでさえ故障を抱えている投手が多い。
離脱中のグラスノーとビューラー(29)、開幕から先発ローテを守る2人のうちのひとりであるパクストン(35)は、いずれもトミー・ジョン手術を経験しているし、右肩腱板損傷の山本も右肘や左脇腹に故障歴がある。ケガや故障が癒えて戦列に復帰したとしても、シーズン終盤やプレーオフまで無事でいる保証はどこにもない。投手陣がピンチの状況に変わりはないのだ。