プロの世界で結果を出したいなら「常識逸脱」すべし…打撃は理屈じゃなく感覚で身に付けるもの
阪神の4番・金本知憲さんは、まさに「鉄人」だった。2004年7月の巨人戦で右手一本だけで打ったヒットは、今でも語り継がれている。
金本さんは前日の中日戦で左手首に死球を受け、左手関節打撲と診断される。のちに左手首剥離骨折と判明するほどの重傷だったのだが、岡田彰布監督の「いけるんやろ?」の一言で強行出場が決まったそうだ。
その後も当たり前のように試合に出続け、連続フルイニング出場は701試合となり日本記録。この記録は10年まで続き、1492試合の世界記録となった。あの骨折した試合で、もし休んでいたら、記録は04年の夏で途切れていたことになる。金本さんの常識を超えた打撃が偉業を呼び寄せた。
コーチが打撃を教える時、「上から叩け」「センターへ返せ」とよく言う。これは常識であり基本である。
ただ、プロ野球の世界で結果を出すには、そういう常識を超えて、練習や試合の中でしか身につかない自分の感覚も大事になる。
例えば一本足打法にしてみるとか、グリップをヒッチしてタイミングを取るとか。つまり「自分だけの常識」を見つけられるかである。