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春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

初の日本人IOC会長誕生の可能性は…来たる会長選を地政学的視点から占ってみる

公開日: 更新日:

 現在109人いるIOC委員の42%が欧州出身者であるから、欧州出身の候補者に有利に働くとみるのは当然だろう。

 初の日本人IOC会長の可能性はないか?

 直近2回の会長選挙を参考にして考察する。その2回の選挙では欧州出身の候補者は2人ないし3人であった。そのうちの1人が第1回投票で過半数近くを取っている。今回は欧州出身が4人である。しかも4人の中で最有力と言い切れる候補者はいない。一般に有名なコーが本命といわれたり、父親の威光があるサマランチが有力といわれたりするが、ラパルティアンもエリアシュも欧州社会の知名度から好感触を得ている。

 そこで欧州の票が割れると予想する。今回の過半数は現会長のバッハを除いて108人の半分プラス1で55票となる。ただし、実際には有効票の過半数なので正確な数字は当日まで不明である。

 直近2回の選挙で01年の第8代ロゲは46票、13年の第9代バッハが43票を初回に得ているが、これが今回は30票台になる可能性が高い。そして欧州外出身委員58%の票がファイサル王子、コベントリー、渡辺に流れると逆にそれが30票台を上回り、第1回投票で1位を取ることがあり得る。

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