拾われたロッテの入団会見では不覚にも泣きそうに…トライアウトからテスト生としてキャンプイン
「テスト生として2月のキャンプに参加する気はありますか?合否は第1クールで判断します。それでよければ、ぜひキャンプに来てください」
「はい! ぜひ参加させてください!」
首の皮一枚でつながった。スポーツ紙の引退記事の掲載をギリギリのところで止めてもらった。阪神の若手選手の邪魔にならないよう、二軍の室内練習場を借りて練習を続けた。年が明けて1月になると、阪神が高知・安芸キャンプで使用する室内練習場を借りて自主トレを行った。戦力外通告の後、打撃練習をしない日は一日もなかった。
トライアウト以上に緊張したのが2月1日だ。まだ入団は決まっていない。もし走った瞬間にプチッと肉離れでもやってしまったら……。そんな恐怖と闘いながら、ロッテのキャンプ地・石垣島へ飛んだ。
第1クール3日目の2月3日の練習後、西村徳文監督から「合格」を告げられた。ホッとした僕は入団会見でこう言った。
「チームが優勝するためなら何でもやる覚悟です。ロッテが最後の球団になると思う。もう怖いものはない。内に秘めた思いをバットに込めたい」
不覚にも泣きそうになってしまった。
次回は奇跡のアトランタ五輪銀メダルの話をしよう。