「諸星大二郎『暗黒神話』と古代史の旅」太陽の地図帖編集部編
さらに国東半島、飛鳥・京都、そしてヤマトタケルゆかりの地駿河へと、ストーリーの展開に寄り添いながら、その舞台を巡る。
日本にわずか2例しかなく、作品で重要な役割を演じる石造物の「石馬」、作品の設定では時空を旅する竹内老人のカプセルが収容されていることになっている奈良の「益田岩船」など、現実の遺物や遺跡が物語世界へと読者を導く。
考古学・民俗学・宗教学などそれぞれの専門家が古代史や神話をひもときながら作品を読み解くエッセーも充実。諸星ファンはもちろん、歴史愛好家にもお薦め。
(平凡社 1200円)