「愛の顚末」梯久美子著

公開日: 更新日:

「蟹工船」を書いて警察に虐殺された小林多喜二の恋人、田口タキは、生涯、沈黙を貫いて2009年に死んだ。タキは父親が事業に失敗したため14歳で銘酒屋に売られ、酌婦をしていた。多喜二はまだ肉体関係もなかったのに借金までしてタキを助け出し、自宅に引き取った。だが、家族の生活を背負っていたタキは、迷惑をかけまいと多喜二の家を出て自活を目指した。一度は東京で多喜二と同棲したが、多喜二が収監されたとき、彼の仲間と比べて自分が学のないことを思い、求婚を断って身を引いたのだった。(「小林多喜二 恋と闘争」)

 ほかに梶井基次郎、三浦綾子ら12人の文学者の愛の物語を描くノンフィクション。

(文藝春秋 1450円+税)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる