「スケートは人生だ!」宇都宮直子著
2018年2月、韓国の平昌で冬季オリンピックが開催された。羽生結弦は前年の11月に、練習中に転んで右足首を損傷、それ以来、試合には出ていない。オリンピックでは個人戦の前に団体戦が行われるが、羽生はそれにも出場しなかった。これまでにも、何度も病気やけがをしたが、羽生はそのたびにさらに美しくなってリンクに戻ってきた。間に合わないはずはない。羽生の姿がリンクサイドに現れると、拍手が沸き起こる。「バラード第一番」がリンクに流れると羽生は滑り出し、ふわりと4回転サルコウを跳んだ。(「魂の覚醒」)
「SPUR」に連載された宇野昌磨、高橋大輔ら、男子フィギュア選手について語るエッセーの単行本化。
(三賢社 1600円+税)