「渡世人伊三郎 上州無情旅」黒崎裕一郎著

公開日: 更新日:

 甲州都留郡犬目村の百姓総代の次男・清吉が19歳の時、大凶作に見舞われた。年貢軽減が受け入れられなかった父は、近所の村の総代と一揆を企むが、密告で一族全員が殺されてしまう。1人生き残り、家族のあだを晴らした清吉は、以来、伊三郎と名乗り、無宿の渡世人暮らしをしている。

 天保8年晩秋、下仁田街道を東に向かって進んでいた伊三郎は、弥吉と名乗る男から声をかけられる。背中の刺青を見て噂に聞く伊三郎だと気がついたという。

 伊三郎は前夜、一ノ宮宿で弥吉を捜す浪人たちを見かけていた。弥吉から旅の道連れになってほしいと頼まれた伊三郎だが、面倒にかかわりたくないと断る。しかし、弥吉はつかず離れず伊三郎についてくる。

 時代小説の新シリーズの開幕。

(祥伝社 770円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末