俳優目指し上京 要潤が“20種類のバイト”で掴んだチャンス
2001年に「仮面ライダーアギト」(テレビ朝日系)でデビュー、その後も数々の作品で人気の要潤さん(35)。爽やかなイケメンで、貧乏とは無縁そうだが、人に歴史あり――。
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香川県の高校を卒業してすぐ、夜行バスに乗って上京してきました。中学生のころから、将来は役者になりたいと漠然と思っていて、親や周りにも公言していました。でも、どうすればいいかわからない。高校3年の進路相談で、進学か就職かの選択を迫られた時、「役者修業させてくれ」と両親に頼んだら、「大学に通わせたつもりで4年間ならいいか」と許してくれました。
その時は通っていた塾の模試の採点を手伝ってお金をもらい、瀬戸大橋を渡って10時間ぐらいかけて上京。真っ先に渋谷の不動産屋に行ったら、元住吉にある家賃6万円のアパートを紹介してくれました。東急東横線で渋谷から一本。渋谷に一本で出られるところがいいなと思ったんです。
風呂もトイレもあって、不自由したのが食事。牛丼を食べにいったりコンビニで買ったり。自炊もしたけど、レトルト食品や缶詰が多かったですね。おかずが足りなくて、白ご飯でお腹をいっぱいにしたこともあります。それまで自宅で母親がしっかり食べさせてくれていたので、そのギャップがつらかった。初めての東京の生活だから楽しいし、服を買ったりして使いすぎちゃって、電気や水道を止められることはちょくちょく(笑い)。仕方がなくて銭湯に行ったり、「電気止められた」って実家に電話してお金を送ってもらったことも一度だけあります。