「理想の芝居とは…」 高橋一生が“一役入魂”の思いを語る
「『高橋一生、チョー激務じゃね?』などと心配なさらず、どうか、ひとりの男、小野但馬守政次として見てほしい」
柴咲コウ(35)演じる主人公とは幼馴染みだが、腹に一物を抱え、家中で孤立した父親と同じ道をたどろうとしている筆頭家老を演じている。新たな局面を迎える7日の放送回を前に応じた取材会。ドラマに映画に引っ張りダコの多忙な状況を引き合いに出し、目尻にしわを寄せて笑いながら“一役入魂”の思いを訴えた。
あるときはニヒルな政治家秘書、またあるときは屁理屈や、うんちく好きのビオラ奏者――さまざまな役に扮し、ワンクールにダブルヘッダーでの連ドラ出演も珍しくないが、高橋一生(36)流の役作りはこうだ。
「ホン(脚本)はいつも自分以外の誰かを演じるつもりで読むのではなく、そもそも僕自身だと思いながら読む。僕が理想とする芝居はまさに文字通り、“芝の上に居る”だけで何もしないこと。セリフの応酬で見せるのではなく、言葉の間や呼吸を大事にし、カメラの前に居るだけで語れるようになる。この思いは年々強まるばかりです」