「灯台のような存在」 津田寛治が語る大杉漣との25年
他にもSABU監督や黒沢清監督を紹介していただき、それぞれ映画に起用してもらっています。今の事務所に入るきっかけも大杉さんに誘っていただいたSABU監督「ポストマン・ブルース」(97年)の舞台挨拶の席。旧知の映画プロデューサーとその時にたまたま会って話したら、その方が「ちゃんとマネジャーをつけたほうがいい」と紹介してくれたのです。ドラマに強くて仕事の幅が広がりました。あのままフリーでいたら、こうもトントン拍子には行かなかったでしょう。
だからといって大杉さんは見返りを求めたりしません。才能を見いだして育てるタイプ。ご自身の事務所の若手の俳優を起用してもらうために腰を低くして仕事をされてます。人間的にも学ぶべき点はすごく多いですね。
もし大杉さんがいなかったら映画の世界で生き残れていたかわかりません。僕にとっては先行きが見えない時に方向を教え正しい方へ導いてくれる灯台のような存在なんです。
※「俳優☆チョイス 津田寛治編」(目黒シネマで15日まで)、「ソナチネ」「イズ・エー」2作を上映。
※18年3月公開予定「ニワトリ★スター」「神さまの轍 checkpoint of the life」。来夏、主演映画「名前」公開。