「今の若手はしくじりもしねえ。芸人の匂いがねえんだ」

公開日: 更新日:

 おっしゃる通り、と賛同したい。そんな落語界で、昭和の落語家のにおいがする馬風は貴重な存在だ。真打ち披露、襲名披露興行で口上に並ぶと、これがまためっぽう面白い。

「まあ、邪道の口上なんだけどね。昭和の時代、幹部落語家の口上はきちんとしてて型通りだった。『至って親孝行でございます』とか、『精進しております』とかさ。それじゃ面白くなくて客席が温まらない。その後に新真打ちが落語をやりづらいだろ。それで、俺が口上を述べる立場になったら、大喜利みたいな笑わせる口上をやろうとかねがね思ってた。客席を沸かせれば後に出る新真打ちがやりやすいと」

 今年の4月、末広亭で三遊亭円歌の襲名披露興行を見たが、その時も馬風は口上で爆笑させた。

「最初は寄席の席亭に、『まともにやってくれ』と言われたもんだが、最近は新真打ちに、『面白い口上をお願いします』って頼まれるようになった。頼まれちゃやるしかねえやな」

 ニヤリと笑った。 =つづく

(聞き手・吉川潮)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”