著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<15>「性欲と食欲を満たす」というふれこみで写真展を開催

公開日: 更新日:

 ワークショップの「荒木経惟私塾」をやった1年間(1976~77年)、写真展はどこでもいつでもできるんだ、街は展覧会の会場だって言って、「東京を行く」では、公衆電話ボックスや山手線のプラットフォームで写真展をやったけど、<靴みがき屋さんでの写真展>っていうのもやったね。“靴みがき屋さんが写真展の会場です。靴をみがいてもらいながら私たちの写真集をみてください”という展覧会で、靴みがきをやってる人に手作りの写真集を預けて、靴をみがきにきた人に見せてもらって、感想を聞いてもらうんだ。オレは銀座4丁目の靴みがきのオヤジに頼んだら引き受けてくれた。一度しかみがいてもらったことなかったけどね(笑)。お客さんが退屈しないですむからって喜んでくれて、「俺は芸術はわからないけど、こりゃーオモシロイ。アンタ、オモシロイこと考えるねぇ」って。

 ワークショップの写真展を銀座の「キッチンラーメン」でもやったんだ。オレは、電通にいた頃から始めて(1970年)、5年ぐらい連続でね。“ベトナムラーメン”が名物でさ、いつもサラリーマンやOLで賑わってたね。「性欲と食欲を満たす」というふれこみで、壁に裸の写真を貼ってさ。ラーメンをすすっていると、目の前に陰毛の写真が現れるんだよ(笑)。

 この写真は、当時、神楽坂にあったオレの事務所の「恥部屋」。その頃、撮ってた写真をバーンと並べてたね。オレが一番最初に、展覧会で海外に行ったのがニューヨークなんだ。グループ展だけどね、初めての海外旅行で、初めてのニューヨーク。その写真展に出したんだ。もう40年ぐらい前になるのかなあ。コーネル・キャパ(写真家)と山岸章二さん(編集者、写真評論家)がやった日本の写真の展覧会だね。

<1979年、コーネルと山岸の企画によるグループ展「Japan:A Self―portrait(自写像 日本)」がニューヨークのICP(国際写真センター)で開催され、「Pinups(私の恥部屋)」を出品>

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