追悼・橋田寿賀子さん 日刊ゲンダイに語っていた“死生観”
「おしん」「春日局」「渡る世間は鬼ばかり」などで知られる、脚本家の橋田寿賀子さんが4日に死去したことが明らかになった。享年95。橋田さんは2月下旬から急性リンパ腫の治療のため都内の病院に入院。先月、自宅のある静岡県熱海市内の病院に転院し治療を続けていたという。
家族のように頻繁に連絡をとりあっていたというプロデューサーの石井ふく子さん(94)は「こんなに急だなんて悔しくて、なんと言っていいかわかりません。『あなた一人でどこに行ったのよ』という思いでいっぱいです」とコメントを発表した。
橋田さんは1949年に松竹に入社、64年にドラマ「愛と死をみつめて」(TBS系)で注目された。66年にTBSプロデューサーの岩崎嘉一氏と結婚。89年に死別してからも精力的に執筆し、文化勲章受章のほか、橋田賞を創設するなど、放送文化の発展にも貢献した。後年は熱海で暮らし、80代になっても週3回もジムでパーソナルトレーニング、ストレッチやスクワットなどで汗を流し、プールで1キロ泳ぐなどパワフルすぎるライフスタイルが話題に。
「93歳当時も新著のインタビューを1日に6本受けるほどタフでした」(出版関係者)
また、「現在のコロナ禍の状況を見て、そこで感じた家族の形を書きたいとおっしゃっていました」と石井ふく子氏が語るほど、仕事に対する情熱は衰えなかった。