ラジオ=疲れる?「いろいろ想像しないといけなくて、しんどいんです」
「なるほど」とひと呼吸おいてから、「そういう発想はボクにはなかったなぁ、面白いね! でも、もうちょっと聴いてみてはどうやろ? ストンと慣れてくるかもしれないし」と答えました。押しつけっぽく何かをメッセージするより、柔らかく言葉を重ねた方が、今の学生たちには効果的な場合が多いのです。
それから数カ月して、再び彼女がやってきました。
「菅田将暉さんのオールナイトニッポンで、小松菜奈さんとの結婚報告を聴いたのですが、とってもよかったです。一つ一つの言葉を噛みしめてしゃべっていて、菅田さんの表情や気持ちが手に取るように想像できました。ラジオの面白さが少し分かった気がしました!」
笑顔いっぱいで話してくれた彼女の言葉に、とてもうれしくなりました。
昨年11月に放送されたその番組は、私も聴いていました。菅田さんの人柄がにじみ出たいい内容でした。彼に限らず飛び切りの報告をファンにする際、ラジオというメディアを選ぶタレントはとても多いです。もちろんそこには戦略的なものもあるかもしれませんが、ラジオの持つ人間味あふれる特性を多くの演者たちが分かっているということでしょう。
気持ちよくその後の講義に向かえた私でした。 (つづく)