「ビューティ・ペア」で一世を風靡 マキ上田さん「フジ社屋の天球は“ビューティ資金”でつくられたと」
マキ上田さん(元女子プロレスラー「ビューティ・ペア」/63歳)
故ジャッキー佐藤(享年41)とビューティ・ペアを結成し、空前の女子プロレスブームを牽引したマキ上田さん。19歳で引退後は女優業や飲食店を経営。48歳で結婚し、浅草で料理屋の女将になってもう15年。あまりの忙しさに「現役時代のことは覚えていない」という上田さんに当時の金銭事情を聞くと、驚きの真実が次々と……。
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1975年に全日本女子プロレス(全女)に入門、同年にデビューし、翌76年にビューティ・ペアを結成。同年に発売されたシングル「かけめぐる青春」は80万枚を売り上げ、プロレスの1日の興行収益は1000万円を超えた。
「睡眠時間は移動中の車だけ。地方巡業から東京に帰ってきてもテレビの仕事や取材があったので、家で寝た記憶がなかった。当時テレビ局でいつも一緒だったのはピンク・レディー。収録の合間にはミーちゃん、ケイちゃんと『最近どうしてんの?』なんて話してました。お互い若かったから目の下にクマもできなかった(笑)」
試合中継はゴールデンタイムにレギュラー放映され、お茶の間のアイドルになったビューティ・ペアはザ・ドリフターズと、コントで共演したことも。
「フジテレビがお台場に移ったあと、『フジの天球はビューティ資金でつくられた』と聞きました(苦笑)。会社に何十億円入ったんだか知りませんけど、私が芸能でもらっていたお金は月に10万円。レコード、アルバムの印税は今までいただいたことはありません。でも全女の社長が田園調布に家を建てたり、クルーザーや日本に数台しかない高級車を買ったり、土地やビルの不動産にも手を出したと聞くので、当時は相当だったんでしょうね。私たちは忙しすぎて、売れている実感がなかったけど、もっとお金のことを言っとけばよかったなって」
アスリートとしての将来への不安と母の逝去が重なり、19歳で引退し、その後は女優に転身。
30歳を過ぎたころ、地元・鳥取県でスナックのオーナーママに。
■ジャッキー佐藤との絆
「お店の10周年記念にジャッキーに声をかけたら、『行くよ』ってわざわざ神奈川から来てくれて、一緒に『かけめぐる青春』を歌いました。彼女は当時体操教室を開いていたので、そのおかげでずいぶんスリムになったなぁなんて思っていたら、すでに入退院を繰り返していたらしく。私と会った後にまた入院して、翌年にあの世へ逝きました。あれがジャッキーに会った最後。本当はしんどいのに義理堅く来てくれたジャッキーには感謝しかないですね」