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松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

早稲田大学セクハラ事件のコメントに反響…あー地獄、もう傍観者になるのはやめよう

公開日: 更新日:

 今週月曜(4月10日)、福岡RKBラジオの朝ワイド「田畑竜介グローアップ」で早稲田大学セクハラ事件の東京地裁判決について話したところ、たいへんな反響があった。番組の内容が掲載されたYahoo!ニュースは、九州・沖縄地区でアクセス数首位を記録。それを読んでぼくに連絡をとってきた首都圏のメディアもあったほどだ。

 判決は、早大大学院で指導教官だった文芸評論家の渡部直己氏(71)からセクハラを受け、大学も適切さを欠いた対応をしたとして、現代文芸コースの元院生で詩人の深沢レナ(筆名)氏(32)が渡部氏と早大に計660万円の損害賠償を求めた訴訟に対してのもの。訴状には、16年入学の深沢氏は、渡部氏からふたりきりでの食事などを求められ、17年には「俺の女にしてやる」と言われたとある。大きな精神的ダメージを受けた彼女は授業から足が遠のき、18年3月には退学。その後相談した学内のハラスメント防止室は、退学者の訴えは取り上げないと受け取れる対応をしたという。東京地裁は双方に合わせて約60万円の賠償を命じた。

 一見勝訴のようでいて、この数字は安い。安すぎる。年間授業費にも満たぬ金額、と書けばわかりやすいか。しかも深沢氏はセクハラに加えて教員の立場を利用したアカデミックハラスメントもあったと訴えていたが、東京地裁はその主張を退けた。「たった一度の過ち、冗談を言っただけ」という渡部氏の説明に納得しかねる彼女は、判決後の記者会見で「セクハラはたった一度の過ちなどではありません。被害者のその後の人生を決定的に変えてしまいます」と語った。

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