朝ドラ「走らんか!」主演・三国一夫さん ダスキン勤務を経て復帰し兼業俳優になるまで
副業をしながら、俳優を続けているわけだ。
「ありがたいことに、年に1度くらい映像のお仕事をいただいています。それだけでは食べられないので、いろんなアルバイトをしてきました。ゆうパックの前は半年ほど休みましたが、その前は港湾で肉体労働を10年ぐらい。ほかには、赤坂で焼き鳥屋の店長、コカ・コーラの配送、パチンコ屋のホール店員、演技講師……」
港湾で働いていたときに、特に体重が大きく増えてしまったそうだ。
「港湾の仕事はブラックだったので、ストレスで食に走ってしまって。そういえば、朝ドラ出演時も太っちゃいましたね」
視聴率が低いといわれたことが、ストレスになっていたのだ。
「視聴率が良くないのはボクのせいだ、という投書を新聞で何度も見ましたから。でも、『走らんか!』はデビュー作で、ボクはド素人だったので、演出家の言うとおりにやるのが精いっぱいだったんです。最初は『NGは出せば出すほど、いい芝居になる』とおっしゃっていた父親役の丹波哲郎さんも、ボクが11回も連続でNGを出したときは、目を閉じて『ウ~ン……』と。あのときの声が怖くて、今でも忘れられません」