杉山清貴さんが中2で出合った「ドゥーチュイムニイ」の衝撃 沖縄言葉の歌がなぜ刺さったのか
杉山清貴さん(歌手/64歳)
世界的なムーブメントになっている日本のシティーポップ。「ふたりの夏物語」や「君のハートはマリンブルー」などのヒットで知られる杉山清貴&オメガトライブの都会的な音楽が改めて注目されている。デビューから今年で40周年、アルバム発売、コンサートと多忙な日々を送っている杉山さんが大きな影響を受け続けたのは、沖縄のシンガー・ソングライター、佐渡山豊の「ドゥーチュイムニイ」……。
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僕にとっては沖縄のフォークシンガーの佐渡山豊さんの存在がとても大きいですね。佐渡山さんは1950年、沖縄生まれ、僕の9年先輩です。人生を変えた曲は佐渡山さんが歌う「ドゥーチュイムニイ」です。タイトルの「ドゥーチュイムニイ」は独り言の意味の沖縄の言葉です。
僕は小5でビートルズに出合って、音楽にドップリ漬かっていた音楽少年でした。中学時代にヒットしていたのは例えば吉田拓郎さんの「結婚しようよ」とか。僕はギターを覚えたくて、拓郎さんや他のいろんな人のフォークを聴いたりしていました。
■うちなーぐちの歌詞
そんな僕にとって衝撃だったのは73年、中2で知った「ドゥーチュイムニイ」です。深夜放送か毎回買っていた音楽雑誌「guts(ガッツ)」のどっちかははっきり覚えていないのですが、「ドゥーチュイムニイ」に出合うわけです。うちなーぐち、沖縄言葉の「わったあ島や 沖縄ぬ コザぬ街るやいびいしが」で始まる歌です。
歌詞は今でも全部覚えていますよ。自分はコザという街で生まれ、沖縄という島でこういう暮らしをしてきて、こんなことがあるんだ……。散文詩のような歌詞が二十何番まで続くんです。「guts」にはそれが全部掲載されていました。