指原莉乃「卵子凍結」に称賛の声も…最大12%の出産確率、1回30万円以上する費用の現実的な問題
■日本生殖医学会や日本産科婦人科学会の見解
日本産科婦人科学会は公式ホームページの「ノンメディカルな卵子凍結をお考えの方へ」の中で、「採卵した全ての卵子が胚移植に使用出来るわけではありません。採卵しても卵子が凍結に適さず変性したり融解する際に破損したりしてしまう可能性があるからです。凍結未受精卵子を用いた胚移植で子宮内に着床する確率は17~41%。さらにそこから流産や死産などの原因によって、卵子1個あたりの出産に至る確率は4.5~12%です」としており、出産できる確率は決して高くないと言える。
また、卵子凍結することで妊娠を先送りにすることにも懸念を示している。年齢を重ねると母体のリスクも上がるため、母子ともに危険な状態に陥ることを危惧しているのだ。
また、日本生殖医学会も、未受精卵子および卵巣組織の凍結・保存に関する指針の中で、「凍結・保存の対象者は成人した女性で、未受精卵子等の採取時の年齢は、36歳未満が望ましい」と推奨している。
費用面も不妊治療と違い、自由診療のため、10個程度の卵子を採卵するにあたり1回約30万~50万の費用がかかる。卵子の凍結期間は3年程度が一般的だから、場合によっては、採卵→凍結を繰り返すと、そのたびに費用がかかる可能性もある。
指原の言動で「卵子凍結」が広く知られたのは良いことではあるが、卵子凍結を“将来のお守り”として楽観視することは早計だろう。
(ジャーナリスト・中西美穂)