市川中車が秘める“猿之助継承”の野望と「ゆくゆくは名跡を息子に」のシナリオ
歌舞伎の名門「澤瀉屋」を代表し、市川中車(香川照之=58)は長男の市川團子(20)と共に立った囲み取材で、こう言った。
「60年に1度の事変、再び澤瀉屋で立ち向かっていく決意をもっております。どうかあたたかい目でご支援くださいますよう」
昨年死去した市川猿翁さん、市川段四郎さんを追悼する先の「澤瀉屋 送る会」でのこと。看板役者だった市川猿之助(48)は昨年5月の一家心中事件で両親の自殺幇助に問われ、執行猶予中の身。
「お知らせはしましたが、本日はご遠慮したいという思いがありました」とした。
中車にとって、いとこにあたる4代目猿之助は團子の演技指導を行っていることを明かした。2月から新橋演舞場ではじまる團子主演のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」。
「12年前、4代目が初役でつとめた時、決まり事も含め、事細かに父(猿翁さん)から聞いている。それを團子に役者として下ろし、話を伝えていく作業はしていただいています。その役を演じた主役が次の主役に口伝でつたえていくのが歌舞伎界の常」などとし、裏方ながらも猿之助の歌舞伎復帰を後押しする格好だが、それには松竹の了解を取りながら行っているそうだ。