著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

冬ドラマは豊作か? クドカン&阿部サダヲが“コンプラ”封じに成功のお見事!

公開日: 更新日:

 今期の新ドラマが出揃った。期待していた宮藤官九郎脚本、阿部サダヲ主演「不適切にもほどがある!」(TBS系)は期待通り、いやそれ以上の出来栄え。クドカンにハズレなし。

 番組公式サイトに「意識低い系タイムスリップコメディ!! 昭和のダメおやじの『不適切』発言が令和の停滞した空気をかき回す」とある。

 番宣CMで「純子(娘)がチョメチョメチョメチョメしちゃう~!」と叫びながら猛ダッシュする阿部の姿がおかしくて。ドラマの中には昭和の小ネタがあふれ、一瞬たりとも目が離せない。

 番組冒頭、「この作品には不適切な台詞や喫煙シーンが含まれていますが、時代による言語表現や文化・風俗の変還を描く本ドラマの特性に鑑み、1986年当時の表現をあえて使用して放送します」というテロップが出てくる。

 これが一種のコンプライアンス封じになっている。お見事。

 阿部演じる主人公の小川市郎は中学の体育教師で野球部顧問。ヘビースモーカーでどこでもたばこを吸いまくる。市郎の一人娘・純子は高校2年生。聖子ちゃんカットで制服のスカート長めの不良娘で家庭内は「積木くずし」さながら。純子役の河合優実が昭和の不良娘になりきっている。

「頑張ってね」と応援しただけでパワハラ、「さすがZ世代」と褒めればエージハラスメント、女性に「ありがとう。〇〇ちゃんをお嫁さんにする男は幸せだね」とおだてればセクハラ……。「そんなの、おかしいだろー」と市郎は叫ぶ。

 日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」(同)。ネットでは昨年の「リバーサルオーケストラ」のパクリだと騒いでいるらしい。確かにキャラクターや設定に類似点は多い。だからといってパクリという愚の骨頂。雑音に惑わされることなく、楽しんだもん勝ちだ。

 主人公たちが住んでいるのが富士山の近く。ダイナミックな風景がいいし、毎回扱われるクラシック音楽がいずれもメジャーで、耳にキャッチーなものが多い。

 西島秀俊扮するマエストロがその曲の背景を教えてくれるのもありがたい。音楽の素晴らしさや楽しさがわかるだけで儲けた気になる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  1. 6

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  2. 7

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  3. 8

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  4. 9

    永野芽郁&田中圭「終わりなき不倫騒動」で小栗旬社長の限界も露呈…自ら女性スキャンダルの過去

  5. 10

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 2

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    乃木坂46では癒やし系…五百城茉央の魅力は、切れ味と温かさ共存していること

  3. 8

    初日から無傷の6連勝!伯桜鵬の実力を底上げした「宮城野部屋閉鎖」の恩恵

  4. 9

    新潟県十日町市の“限界集落”に移住したドイツ人建築デザイナーが起こした奇跡

  5. 10

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋