著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

【追悼】曙太郎(上)希代の名横綱なのに敵は土俵の外にいた…師匠・東関親方との対立も深刻

公開日: 更新日:

番外編

 2024年4月、第64代横綱の曙太郎が他界した。享年54。以前から闘病中だったことはあまねく知られているが、突然の訃報にファンも関係者も驚いたに違いない。筆者の脳裏をまずよぎったのは、26年前の挿話である。

 1998年2月に開催された長野冬季オリンピック。その開会式の目玉として、東の正横綱・貴乃花光司による、横綱土俵入りがラインアップされていた。

■急病の貴乃花に代わり長野五輪で土俵入り

 世界中の視線が集まる五輪開会式において、日本の顔と言っていい貴乃花によって“国技”をアピールするまたとない機会となるはずだったが、その貴乃花が急性気道炎で倒れてしまう。突然の急病にJOCも日本相撲協会も頭を抱えたはずだ。

 その直後、「私が代わりにやります」と名乗り出た者がいた。西の正横綱・曙太郎である。自分の意思で貴乃花の代打を買って出たのだ。そこに、曙の底意をくみ取ることができる。

 曙と貴乃花とは新弟子時代の同期にして、初土俵も同じく88年大阪場所。新入幕こそ貴乃花に先を越されたが、大関~横綱昇進ではあっさり抜き返し、95年初場所以降はともに横綱として、熾烈な優勝争いを演じた正真正銘のライバル関係である。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末