老いた親がよく転ぶ…それなら「治る痴呆症」の可能性あり
1年後。“お漏らし”が増えた父親を近所のクリニックに連れていくと、「認知症のアルツハイマー病」と診断された。とうとう来たかと、Aさんは観念。処方された薬を飲ませることになった。
その1年後、雑誌で「治る認知症」の症状を見て、父親にぴったり当てはまると思った。そこに紹介されていた病院を受診したところ、結果は認知症のひとつである「特発性正常圧水頭症」だった。後に説明する「タップテスト」後に手術を受けると、父親の症状は激変。2年前の“健康的で積極的で、口が達者な父親”が戻ってきた。
特発性正常圧水頭症は、現時点で原因は不明だ。脳や脊髄の表面を覆い保護する役割の髄液が脳室にたまり、周囲の脳を圧迫して、歩行障害、物忘れ、排尿が間に合わないなどの症状が出てくる認知症の一種だ。
■手術で驚くほと改善
認知症には、アルツハイマー病型、レビー小体型、脳血管性などいろいろあるが、特発性正常圧水頭症の決定的な違いは、「手術で治る」こと。ほかの認知症は、症状の進行を遅らせられても、ストップはできないし、“元通り”にはならない。