ジョギングも一因 かかと痛“難治例”の最新治療事情
「ところが強い痛みを感じて病院を受診してきた患者さんでは、足底腱膜の瘢痕化が進んだ難治例が少なくありません。そうなると保存治療では痛みが消えにくい。MRIの結果を見て、次の段階の治療である『体外衝撃波』を検討します」
体外衝撃波はドイツ発の治療で、足底腱膜炎に対し国内で行われるようになったのは2008年以降。腱膜が痛む箇所へ衝撃波を当て、厚く硬くなった部分を改善する。神経伝達物質の減少や正常細胞の刺激で、滞っていた損傷部分の修復が再開される。
1回に当てるのは2000~3000発。1カ月に1回、3カ月間に計3回(1クール)。最初は弱く、徐々に強く当てていく。保険適用だ。
■8割に有効
「『麻酔をかけて強く当てた方がいい』『低く数回当てる方がいい』など国によってやり方は違います。経験上、私は強く何回も当てればいい、とは考えていません」
効果が出てくるのは、ゆっくりだ。早い人で1カ月後、平均的には2カ月後あたりから効果を実感する。1クール実施後、1年後に8割くらいが「痛みが半減以下になった」と回答する。なお、治療中はかかとに圧がよりかかるスポーツはしないのが望ましい。