ジョギングも一因 かかと痛“難治例”の最新治療事情
歩くとかかとが痛い。起床時の第一歩が特に痛い。そう感じたことがあれば、「足底腱膜炎」の可能性がある。船橋整形外科病院スポーツ医学・関節センタースポーツ下肢部門副部長・高橋謙二医師に最新治療を聞いた。
かかとから足の5本の指にそれぞれつながる腱膜が足底腱膜。ジョギングをはじめとするスポーツ、立ち仕事、歩き仕事(営業)、肥満、加齢がリスク要因だ。
リスク要因があると足底腱膜に過度の圧がかかりやすく、わずかな断裂や炎症が起こる。通常、放っておいても修復することが多いが、損傷・修復を繰り返すうちに腱膜が厚く硬く瘢痕化し、その中に神経線維が入り込む。
「本来は傷の修復とともに消失する神経線維がそのまま残ることで、圧がかかるたびに激しい痛みを感じます。さらに痛みを伝える神経伝達物質が局所に集まり、正常な組織修復を妨げます」
足底腱膜炎の治療は、まず6カ月を目安にした保存治療。具体的にはストレッチ、足底の筋力訓練、かかとへの圧を和らげるインソールの使用など。鎮痛剤の注射や湿布を用いることもある。