男性医師の心ない一言に「屈辱」を感じる女性患者は少なくない
最近は女性の医師も多くなりました。内科、眼科、皮膚科だけではなく、がんの診断・治療で放射線科や外科でもお見かけします。とはいえ、病院の各科で女性医師が揃っているわけではありません。女性医師に診てもらいたくても、なかなか希望通りにはいかないことが多いと思います。
女性医師の診察を希望される場合は、受診する科で女性医師が診察してくれる外来があるかどうか、病院のウェブサイトで探すのが早いでしょう。また、病院の新患受付や相談室に聞いてみるのもひとつの方法です。
以前、こんなこともありました。ある男性医師が、女性の乳がん患者に「卵巣に放射線をかけて卵巣機能をなくす治療法です」と淡々と説明して同意を得ました。その男性医師は同じ時期に男性乳がんの患者も診ていたのですが、「ホルモン治療として睾丸摘出術を行いたい」と説明した際、患者と一緒に涙を流されていました。両方とも治療の原理は同じはずなのに……。とても印象に残っています。
まだまだ“男社会”といえる日本において、体力面でも男性に負けずに長時間の労働に耐え、患者には優しく接し、家庭、子育て、研究にいそしみ、大学教授や病院の部長になって、さらに後輩を育成する……。まさに八面六臂の活躍をされている女性医師を私は何人も知っています。頭が下がる思いです。