緩和医療の前に期待 がん眠らせ長期共存「休眠療法」とは

公開日: 更新日:

 精巣がんや卵巣がんなど抗がん剤がよく効く一部のがんを除き、抗がん剤治療は「転移などがあり、がん全てを手術で切除するのは困難」という場合に行われる。

「標準治療での抗がん剤の目的はがんの縮小。しかしそれが生存期間の延長にはつながらないことが研究で分かっています。私が考えたのは、血管新生を阻害してがんの増殖や進行を抑制するのと同様に、抗がん剤でがんの増殖や進行を抑制する方法でした」

 研究を進める中で、「抗がん剤の継続投与でがんの増殖・進行を抑制する期間を延ばせる」と判明。そのためには副作用が軽い投与量でなければならず、副作用の強さを示す「骨髄抑制」のグレード2(中等度)が最適だと導き出した。骨髄抑制はグレード1(軽度)~5(死亡)の5段階で、標準治療では3~4も珍しくない。3は「高度の副作用で入院、侵襲的治療、輸血、手術などを要す」、4は「生命を脅かす、または集中治療や緊急処置を要する」で、継続投与は困難だ。

 さらに従来の抗がん剤治療では、年齢、がんの状態にかかわらず、身長・体重で一律に投与量を決定。それでは量が多すぎる上、「抗がん剤が効く量には個人差がある」ことも分かった。血液検査や画像検査などを駆使しながら、各患者の“効く量”を探る。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    元フジ中野美奈子アナがテレビ出演で話題…"中居熱愛"イメージ払拭と政界進出の可能性

  4. 4

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  5. 5

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  1. 6

    中居正広氏と結託していた「B氏」の生態…チョコプラ松尾駿がものまねしていたコント動画が物議

  2. 7

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  3. 8

    中居正広氏が女子アナを狙い撃ちしたコンプレックスの深淵…ハイスペでなければ満たされない歪んだ欲望

  4. 9

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  5. 10

    SixTONES松村北斗 周回遅れデビューで花開いた「元崖っぷちアイドルの可能性」