舌が「黄色い人」は糖尿病?有病割合は「白い人」の2.23倍
東洋医学では、「舌診(ぜっしん)」といって、舌の色や状態から、体の健康状態を判断することがあります。舌は通常、薄いピンク色をしていますが、風邪をひくなど体力が消耗していると白く濁ったり、体内に熱がこもっていると赤みがより濃くなることがあるそうです。舌の色調と糖尿病の関連を検討した研究論文が、日本疫学会誌(2018年6月号)に掲載されました。
この研究では、愛媛県東温市に在住している30~79歳の非喫煙者(男性315人、女性654人)が対象となっています。舌の色調は、白(正常)、淡黄色、黄色の3つのカテゴリーに分類され、糖尿病の有病割合が比較されました。なお、舌の色調に変化を及ぼすコーヒーや紅茶の摂取状況は、調査前に確認されています。さらに、結果に影響を与え得る、年齢、性別、飲酒状況、身体活動量などで統計的に補正して解析を行っています。
その結果、糖尿病の有病割合は、舌が白い人に比べて、黄色い人で2・23倍、統計的にも有意に多いことが示されました。
抗菌薬など医薬品の中には舌の色調を変化させる薬剤が知られていますが、この研究では被験者が服用していた薬剤までは考慮されていません。